後ろ向きの抱っこから、前向きの抱っこへ一瞬の早変わりに、「ひゃっ!?」っと思わず変な声が出てしまう。
祐一郎さんの膝をまたぐような形で座らされて力強い腕で抱き寄せられ、思わず顔にぶわっと血が上る。
「ゆ、ゆ、ゆ、祐一郎さんっ!?」
「じゃあ、いつかのために、しっかり予行練習をしておかないとな」
満天の星空の下、祐一郎さんが俺様モード全開で、ニヤリと笑う。
でも、頬を包み込むその手はとても優しくて。
重ねられた唇は、頭の芯がとろけそうなくらいに甘い。
それはまるで蜜のような、この上もなく甘美なキス。
いつか、きっと。
大好きなあなたと、あなたに良くにた可愛い子供たちに囲まれて。
母が私にしてくれたみたいに、自分が描いた絵本を子供たちに読み聞かせてあげたい。
そんな日々を夢に見て。
私は、この世で一番大好きな人を、両手でぎゅっと抱きしめた――。