うう、やだなぁもう。

これじゃまるで、のぞき趣味の変態女じゃない。

早く着いてよっ、エレベーター!

たらりたらーりと嫌な汗をにじませながら、切にそう願うも、エレベーターの上昇速度が上がるわけがない。

痛すぎる沈黙に耐えながら、3Fを過ぎた頃。

どうやら、キスは終了したらしい。

女のクスクスという笑い声が、うつむく私の耳に微かに聞こえてくる。

5F。

10F。

二人は、降りない。

そして、ついに後少しで最上階。

エレベーターは、ノンストップで目的階まで上がっていく。

つまり、この熱々破廉恥カップルも展望レストランで昼食タイムらしい。

と言うことは。

ああ、後少しのガマンだ。