翌日。

ふだん使わない筋肉を酷使した私の身体は悲鳴を上げ、日中、日が高くなるまで祐一郎さんのベッドの中で過ごしてしまった。

祐一郎さんはと言えば早朝から憎らしいくらい元気いっぱいで、私の世話をかいがいしく焼きながら、動けない私の代わりに『隣の部屋』から引っ越し荷物をせっせと運びこんでくれた。

そう。

私が引っ越してきたのは、マンションの最上階にある祐一郎さんの部屋のとなりだった。

他のフロアの部屋数は四部屋。

この最上階は二部屋のみの広々としたテラス付きのペントハウスになっていて、ほかの住民はいないのだそう。

その事実を知ったとき、たぶん祐一郎さんは最初からルームシェアのことを考えていたのだと思った。

でも、私がNOと言えば、無理強いをする気はなかったはずだ。

祐一郎さんは俺様でかなり強引な人だけど、私の意志は尊重してくれるやさしい人だから。

なんとなくだけど、そういうふうに感じられるようになってきた、今日この頃。

「亀水槽のレイアウトを見てくれないか?」

荷物から適当な着替えをもってきてくれた祐一郎さんにそう言われて、一人ベッドで惰眠をむさぼっていた私は、着替えを済まてLDKに向かった。

テラスに面した明るいソファーコーナーのリビングボードの上。

白い王子様こと、アルビノのミドリガメ『亀雄くん』の水槽の右隣りに、亀子さんの水槽が設置されていた。

亀飼い歴十年の祐一郎さんの水槽のレイアウトは、もちろん完璧だ。

でも……。

「これって、重さ、大丈夫ですか?」