がっくり肩を落としていると、楽しそうにくすくすと笑う祐一郎さんに、正面からぎゅっと抱き寄せられた。
そして、焦点が合うギリギリの距離に身を離した祐一郎さんは、真剣な眼差しで口を開く。
「できるなら、ひと時も離したくない。この腕の中に閉じ込めて誰の目にも触れさせたくない、俺だけのものにしたいって、いつだってそう思ってる」
真剣な心情の吐露に、声もなく聞き入った。
『だれよりも愛してる』
それは、嘘のない心からの言葉だと、
そう信じられた。
そうして、こみあげる抑えようのない幸福感に、思わず頬の筋肉がニヤニヤと緩んでしまう。
「お前、ここは感激して泣くところだろう?」
「泣きませんよー。うれしくて笑っちゃいます」
「いつもはピーピーとすぐに泣くくせに」
「泣きませんー」
くすくすと笑う私の両頬を、祐一郎さんは大きな手でふんわりと包み込む。
ふりそそぐ甘くて優しいキスの雨は、少しずつ激しさを増していく。
その激しい雨に身を任せながら、私は幸せなまどろみの中に落ちていった――。