ふと、私はなんでこんなに抵抗を試みているんだろうと思った。

祐一郎さんのことは大好きだ。

男性としても、社長としても尊敬している。

好きで好きで、どうしようもなくて、私から告白したのに。

こんな煮え切らない気持ちになるのは、どうして?

ぐるぐると思考の渦に沈んでいた私の意識は、寝室のベッドに寝かされたとき明確な答えをつかんで浮上した。

私はまだ、祐一郎さんの気持ちを聞いてない。

祐一郎さんが、私のことをどう思っているのか、聞いていない。

だから、二人の関係を先に進めることが不安なんだ。

「祐一郎さん」

私はその場で正座すると、ベッドの端に腰を下ろした祐一郎さんを正面から見つめた。

「なんだ、改まって」

「祐一郎さんは、私のことをどう思っていますか?」

真剣な眼差しで問えば、眉間にしわを寄せてしばらく考え込んでいた祐一郎さんは、ぼそりとつぶやいた。

「……見ていて飽きない?」

「なんですか、それ?」

あなたにとって、私はめったに見られない珍獣かなにかですか?