LDKの電気のスイッチを切った社長は、私を抱きかかえたまま廊下に出た。
そのまま、迷う様子もなく廊下を寝室へ向かって歩き出す。
このままでは、ベッドルームへ直行だ。
R指定がかかりそうな危ない未来しか見えてこない。
「社、社長、ちょっと、待ってください!」
焦った私が声を上げれば、社長は足を止めて「社長呼びは禁止。契約条件は順守してもらおうか?」と、ニッコリ微笑んだ。
取りあえず、足は止まった。
「うっ……。祐一郎……さん?」
「なんだ?」
次はなんとか時間を稼がなくては。
私は、せわしなく考えを巡らせる。そして、さらに時間を稼ぐ妙案を思いついた。
「ええと、お風呂に入りたい……です」
あははと、どうにか引きつり気味の笑顔を作る。
社長――、祐一郎さんが眠ってしまうくらい長風呂をする。あとは、ソファーでも借りて、タオルケットにくるまって眠ればいい。
よし。この路線でいこう!



