部屋を出るとダウンライトに照らされた廊下だった。
左側の壁は天井までの壁面収納、右側の壁は納戸にトイレ、そして突き当り右側の広い玄関ポーチへと続く。
玄関を背にL字の廊下を左に曲がれば、右側には二部屋。
左の壁側は、洗面所とお風呂になっている。
そして、突き当りに確かLDK。
うん。間違いない。
引っ越してきた『社員寮』と間取りが一緒だ。
ズルズルズルと、長いタオルケットをテルテル坊主か一昔前のゲームキャラの魔法使いのように引きずった私は、すりガラスから煌々とした明かりが漏れる、こじゃれた木製のドアを開けた。
予想通り、そこは二十畳の広さを誇るだだっ広い、LDK。
ただし、モノトーンカラーの家具とファブリックでまとめられたその部屋は確かな生活感があって、荷ほどきをしていない私の部屋ではありえない。
「なんだ、起きてきたのか。なら、ソファーにでも座っていれば?」
部屋に入って左側の対面式のキッチンで何やら調理していた社長は、私の珍妙な格好を面白そうに眺めつつ、キッチンに面したダイニングテーブルではなく、部屋の右奥に広がるリビングスペースにあるソファーコーナーを指さした。
――あれ……?
社長が指さした方に視線を巡らせた私は、見慣れたあるものを見つけて目を見張る。
ソファーコーナーにある壁面のリビングボードの上に、やたらと見慣れたサイズの大きな水槽が鎮座していた。



