【番外編追加♪】オ・ト・ナの、お仕事♪~甘いキスは蜜の味~【完結】



「なんだ。さっきまでは、あんなに甘い声で名前を呼んでくれたのに、もう社長呼びに逆戻りか?」

ぎゅっと抱え込まれて、耳元に落とされる気だるげな低音ボイスに頭がクラクラしてくる。

なにこれ? なにこれ? なにこれーーーーっ!?

もしかして。

もしかしなくても、意識がないまま、社長としちゃったのっ!?

「うそ……」

信じられずに呆然と呟けば、愉快そうな声で「ほんと」と答えが返ってくる。

「ほんと?」

なの? とおそるおそる視線を上げれば、社長は「ぷっ」っと小さく吹きだした。

「ばーか。病人を襲うほど俺は鬼畜じゃない。まあ、何もしてないとは言わないが、最後まではしてないからな」

何もしてないとは言わないって。

さ、最後まで『は』していないって。

ということは、最後以外のことはしたって言ってるわけで。

その言葉の意味をそしゃくして、全身にカッと熱が走る。

何がどうしてこうなった?

一生懸命記憶をたどろうとするけど、悲しいかな何も思い出せない。

ああああう。

恥ずかしすぎて再びタオルケットを抱え込んで顔をうずめれば、社長はクスクスと楽し気に笑いながら完全に身を起こした。

「ほら、もう少し水分を取っておけ」と、ペットボトルのスポーツドリンクを手に持たされる。

さっきの甘い水の正体がこれだったのだと理解した瞬間、社長に口移しで飲まされたのだと気づいて、恥ずかしさが振りきれた。

ああ、私きっと、今なら恥ずかしさで死ねる。