【番外編追加♪】オ・ト・ナの、お仕事♪~甘いキスは蜜の味~【完結】



「祐一郎さん、もういらしていたのね」

入り口から、優雅な足取りで歩み寄ってきたのは、中肉中背の年配女性。

なにがしかのブランドものだろう、ぜったい既製品ではありえない、身体のラインにフィットした、ライト・ブラウンのアンサンブルを身にまとっている。

身に着けている、指輪、ネックレスにイヤリングは、本物の宝石にしか出せない輝きを放っていた。

一目で、セレブと分かる人種だ。

本日の主役、谷田部志乃は、椅子に座る茉莉とその足元で片膝をついている俺を見て、少し驚いたように目を見張って言った。

「あら、何かトラブルでも?」

「すみません。連れが、足を痛めてしまったようで……」

「まあ、それはいけないわね。大丈夫、あなた?」

「あ、はい大丈夫です」

大切な接待の場を自分のせいで台無しにはできないと思ったのか、茉莉は慌てて俺に小声で訴えてきた。

「大丈夫ですから。もうぜんぜん痛くないですから」

だが、その表情を見れば、かなり痛むのは一目瞭然。

俺は、後ろに控えている総支配人を手招きして呼んだ。