【番外編追加♪】オ・ト・ナの、お仕事♪~甘いキスは蜜の味~【完結】



どれ、気持ちよく安眠しているところ悪いが、起きる時間だシンデレラ。

俺は運転席から左手を伸ばして、茉莉の右のほっぺたを『ぎゅむっ』とひっぱった。

「痛っ! ってあれ……?」

茉莉は、俺がつねった右頬をナデナデしつつ、寝ぼけまなこで運転席に視線を向けてくる。

「助手席で爆睡をかますとは、ずいぶんな余裕だな」

地を這うような低い声音で言えば、浮かべようとした愛想笑いが、盛大にひきつった。

「すみません、社長の運転があまりにパーフェクトだったので、つい気持ちよくって……もう着いたんですね」

と茉莉は窓越しに外を見渡して眉根をよせる。

「ホテル・ロイヤルの地下駐車場に、そっくり……」

「そっくりなんじゃない。ここは、ホテル・ロイヤルの地下駐車場だ」

茉莉にとっては、ここは元婚約者と修羅場を演じた、苦い思い出が残る場所。好んで来たい場所ではないだろう。

だが、仕事は仕事。

プライベートとは、きっちり線引きをしてもらわなくては困る。