「まあ、茉莉っぺはお嬢だけど、根性はあるからね」

両手を胸の前でしっかり組んで、まるで神様に祈るようなポーズを作って熱い視線で見詰めていたら、美由紀はそう言ってクスリと口の端を上げた。

「面接、するだけしてみたら? 話、通しておくからさ」

――神様、仏様、美由紀様!

愛してるよ、美由紀ちゃんっ!

『株式会社 FUDOU』

私は、ノアールから家に帰る道すがら、美由紀に書いて貰った面接先の会社の住所と簡単な地図のメモをニンマリと見詰めた。

会社の所在地は、私が住んでいる隣の市だ。

美由紀は、私の家から車で30分くらいだろうと言っていた。

『株式会社FUDOU』かぁ……。

聞いたことない会社だけど、この際雇ってくれるなら私にとっては救世主だ。

『仕事の内容を説明する』という、美由紀の申し出を、あえて断った。

それがどんな種類のものでも、私は頑張る!

心の中は、熱く燃えていた。

もうレッツ・お仕事モードだ。