いくら若いからといっても、大学と仕事の両立は生易しいものではないはずだ。
夕方五時から深夜二時に仕事をして、父娘二人の家事をこなしたうえで大学にも通い、課題をこなしていくのだ。
おそらく、毎日の睡眠時間は、3、4時間がいいところだろう。
それでも茉莉はへこたれることはなく、守が言うには『とても楽しそうに、一生懸命仕事をしてますよ』とのこと。
そして、今日、1か月の茉莉の試用期間が終わりを告げる。
茉莉の勤務記録を眺めて、さてどうしたものか思案を巡らせる。
面接当日に1分遅刻したものの、仮採用後は無遅刻無欠勤だった茉莉の、正社員採用に否はない。
迷っているのは、茉莉を正社員として採用するかどうかではなく、採用後のポジションをどうするかだ。
クロスポイントで選べる職種は現状、ルームメイクかフロントだ。
茉莉なら、おそらくどちらも難なくこなせるだろう。
しかし、と、俺の中で迷いが生じる。
社長としての俺が今欲しい人材は、守とは違う意味で俺を補佐してくれる――事務処理やスケジュール管理などを任せられるそんな人間。
既存の職種なら『秘書』が一番近いだろう。
実際は、接待の同伴などプライベート寄りな仕事もしてもらわなければならない。
問題は、茉莉にそのポジションが務まるか否かだ。



