「まあ、あの人は父の再婚相手の連れ子だから、戸籍上は血の繋がりはないんだけどね。今では、谷田部じゃなく不動って、母親の旧姓を名乗っているし……」

そう言って笑う美由紀の笑顔はどこか寂しげで、私はそれ以上、何も言えなくなってしまう。

「だけど、なぜに、ロリコン?」

「だって、10歳年下の彼女にデレるのは立派にロリコンじゃない?」

「いや、私成人しているし、年の差は9歳だし」

ロリコン認定するのは、さすがに社長が気の毒な気がする。

「12年前お隣に住んでたとき茉莉は8歳でしょ。それで、兄貴は17歳。もう立派に間違いなくロリコンです」

「え、う、それは……」

美由紀が語る数字マジックに、なんとなくそんな気がしてきて、反論ができない私を許してください、社長。

「それに、私には近い将来素敵なお姉さまができそうだし、まあすべて丸く収まったということで、めでたしめでたし」

「げっ、お姉さま!?」

「そう、お姉さま」

満面の笑顔で親友から改めて告げられる衝撃の事実に、私の頬の筋肉は盛大にひきつった。