社長をロリコン呼ばわりしたこともさることながら、社長をロリコン呼ばわりするほど知っているらしい、その親密感に疑問がわいたのだ。

「つかぬことをお聞きしますが、美由紀ちゃん?」

「はい、なんでしょう、茉莉さんや」

嫌な予感を覚えつつ、疑問を質問に変える。

「不動社長とは、どういったお知り合いでございますか?」

「え? 言ってなかったっけ?」

美由紀はわざとらしく目を丸めて、大きな爆弾発言を投下した。

「あれ、私の兄貴よ」

一秒、二秒、

ゆうに、三秒。

私は、その言葉の意味をそしゃくした。

でも、それが、うまく飲み込めない。

だって、美由紀にお兄さんがいるなんて、今の今まで聞いたことがない。

「……冗談?」

「動かしがたい事実よん」

事実よんって。

そんな満面の笑顔で言われても。