【番外編追加♪】オ・ト・ナの、お仕事♪~甘いキスは蜜の味~【完結】




「すみません。連れが、足を痛めてしまったようで……」

恐縮したように、社長は言う。

「まあ、それはいけないわね。大丈夫、あなた?」

「あ、はい大丈夫です」

初対面のご挨拶をする前に、心配されてしまった。

大切な接待の場を私のドジのせいで台無しにはできない。

私は慌てて、社長に小声で訴える。

「大丈夫ですから。もうぜんぜん痛くないですから」

ちらりと私の顔を見た社長は、総支配人さんを手招きした。

「すまないが、この人を医務室に連れて行って、薫に診させてくれないか。右足首をねん挫したようだ」

――うん?

今、『かおる』って言った?

鼓膜を通り過ぎて言った言葉の中に、妙に聞き覚えのある名前を聞いた気がして、私は眉根を寄せる。

「右足首をねん挫したようだ」

「承知いたしました、お伝えします」

『さあ、こちらへどうぞ』

総支配人さんに逆らい難い満面の笑顔で手を差し出された私は、この場に留まることを断念した。

実を言えば、右足首が、かなりズキズキと痛み出していた。