【番外編追加♪】オ・ト・ナの、お仕事♪~甘いキスは蜜の味~【完結】




「骨折はしていないようだな。捻挫か……」

ハイヒールでこけただけで骨折したら、さすがの私もヘコミます。

それよりもっ!

いきなり足を掴みあげられたものだから、ワンピースの裾が限界までまくれ上がって、かなりきわどい状態になっている。

ギュッとまくれ上がった裾を引っ張り下ろし、どうにか声をしぼりだす。

「だ、大丈夫です。本っ当に、大丈夫ですからっ!」

「ちょっと、待っていろ、今、医者を呼んでくる――」

社長が立ち上がるのと凛とした声が響いてきたのは、ほぼ同時だった。

「祐一郎さん、もういらしていたのね」

入り口から、優雅な足取りで歩み寄ってきたのは、年配の女性。

なにがしかのブランドものだろう、ぜったい既製品ではありえない、身体のラインにフィットした、ライト・ブラウンのアンサンブルを身に纏っている。

指輪、ネックレスにイヤリング。

いったいどれくらいの値段がするのか、皆目見当がつかない。

一目で、セレブと分かる人種だ。

椅子に座る私と、私の足元で片膝をついた社長。

私たち二人の姿にその人は、少し驚いたように目を見はって言った。

「あら、何かトラブルでも?」