驚いた拍子に、足がたたらを踏んだ。
慣れないハイヒールを履いていた足は見事にバランスを崩し、全体重がかかった右足首が『ギクッ』と嫌な音を上げる。
瞬間、足首から脳天に鋭い痛みが突き抜けた。
「っつ……」
「おい、大丈夫か?」
耳元で聞こえる心配げな社長の声に、私は、どうして転倒を免れたのかを知った。
スッ転ぶ寸前に、社長が支えてくれたからだ。
「足を傷めたのか?」
「え、ああ、平気です。ちょっとひねっただけなんで、大丈夫です」
「いいから、まずは座れ」
社長に抱えられるようにして椅子まで連れて行って、座らせてもらう。
座ってホッとしたのもつかの間、片膝をついた社長に足首をつかみあげられて、またまた脳天に突き抜けた痛みに、思わず小さな悲鳴を飲み込んだ。



