【番外編追加♪】オ・ト・ナの、お仕事♪~甘いキスは蜜の味~【完結】



人間、やればできる。

それは真理だと思う。

でも、慣れないことはするもんじゃない。

これもまた、真理。

まるで『仮免許練習中』のノリで、隣に鬼教官ならぬ鬼社長を乗せた、いたいけな新人社員の私は、運転を始めてからわずか三十分後、目的地の駐車場に車を滑り込ませた時には、緊張の連続で神経をすり減らしてヘロヘロの状態になっていた。

救いなのは、駐車場がやたらと広くて空いていたこと。

おかげで、『気持ちはもう命がけ』のバック駐車も、どうにか事なきを得た。

――ぶつけなかった。

どこにも、ぶつけなかったぞ。

自分の健闘をほめたたえ、

ほっと、胸をなで下ろしたのもつかの間。

「時間がないから、急げ」

と不動明王様にせかされて休む間もなく車から降りれば、それまでの過重労働に抗議するみたいに膝ががくがくと笑っている。