右足をブレーキからそっと外して、隣のアクセルを踏み込む。
が、少しばかり、強く踏みすぎた。
軽自動車では考えられない加速性能に身体が後ろに傾き、思わずアクセルを踏む足を放してブレーキを踏み込んでしまった。
ブレーキを踏めは減速するのが道理で、前に振られた体は反動で後ろに勢いよく引き戻される。
結果、駐車場を出る前に車は止まってしまった。
「……」
――何これ、怖い。
加速、良すぎるよーー。
「あ、あははは……」
恐怖にひきつる笑顔で恐る恐る助手席に顔を向ければ、腕組みした不動明王様の鋭い眼光に睨み下ろされた。
もしかしたら、危機感から『運転を代わってくれるかもしれない』、
なんて、甘っちょろい考えは、宇宙の彼方へ飛んでいく。
「……すみません、気を付けます」
気を取り直して、再スタート。
今度は、慎重にアクセルを踏み込んだ。



