中にあったのは、シルバーメタリックの高級国産車。
私の軽自動車が、おもちゃのように見えるくらいの存在感と威圧感。
――さ、さすが、腐っても社長。
やっぱりここって、繁盛してるのね。
なんて、変なことに感心していたら、
「ほら、鍵」
ぽん、と、社長が鍵を投げてよこした。
不意打ちの攻撃に泡を食った私は、猫じゃらしに飛び付く猫みたいに、ほとんど脊髄反射で鍵をナイスキャッチ。
手のひらの中に走る、金属の、冷たい感触。
中に納まった、銀の鍵を見つめてしばし呆然と固まる。
「……え?」
――なにこれ?
「だから、車の鍵だよ」
「それは分かってますけど……」
――まさか。
まさか……よね?
「あの、この車の運転って……」
恐る恐るお伺いを立てれば、何を言い出すのかというような、硬質の眼差しが向けられた。



