【番外編追加♪】オ・ト・ナの、お仕事♪~甘いキスは蜜の味~【完結】



私の人を見る目がないのが悪いと言えばそれまでだけど、なんだかとっても裏切られた気持ちだ。

残念、というより、それはもはや哀しみの領域に達している。

そしてその哀しみは、憤りに転化した。

「……不動明王」

私がもらした感情を抑えた低い呟きに、社長はあくまで面白そうに片眉を上げる。

「ん?」

「私が付けた、社長の、ニックネームです」

「へぇ。不動明王ねぇ。焔を背負う阿修羅のことか。良いネーミングセンスをしてるじゃないか。そんなにカッコイイか俺は?」

少しくらい反撃してやろうと思ったけど、敵さんには、まったく効いていない。

器が違う。

それに、敵さんは、無敵の雇い主。

私は、哀れな雇われ人。

この立場は、覆せない。

それくらいのことは、ピカピカの社会人一年生の私だって、分かっている。