「しっかし、見事に、中身は子供の頃のまんまだな、お前」
愉悦を纏い、喉の奥で笑う社長の低い声が、まだこの事態を理解できないでいる私の耳朶を無情に通り過ぎていく。
「え……、あ、あの、社長?」
無表情だけど、時々垣間見せてくれる優しげな雰囲気が昔の憧れの優しい『祐兄ちゃん』そのままだから。
少しだけ、感情表現が下手で不器用な大人になっちゃっただけで、きっと、中身は変わっていない。
時間が経って打ち解ければ、また、昔のような兄と妹みたいな近しい関係が築けるはず。
本気で、私は、そう思っていた。
でも、これは、
この変わりようは――。
「めでたく正社員となったことだし、ここからは手加減なしで行くから、そのつもりでな」
――は……い!?



