「篠原茉莉さん」
「はい」
「試用期間の就業状況を鑑みて、あなたを、正式採用とします」
『正式採用』
聞き間違えようのないその言葉を、何度も何度も脳内で反芻する。
じわりじわりと、感動の波が胸の奥からせり上がってくる。
――やった。
やったよ、お父さん!
やったよ、お母さんっ!
やったよ、亀子さんっっ!
「ありがとうございますっ!」
こんな半人前の私を、社員として正式に採用してくれたことへの心からの感謝の気持ちを込めて、私はしっかりと頭を下げた。
「後で社会保険関連の書類を渡しますので、後日提出してください」
「はい……」
――ああ、だめ。
なんだか嬉しくて、涙がこぼれそう。
「良かったね、茉莉ちゃん。これからもよろしく」
親指をぐっと立てて、スマイリー主任は、祝福の笑顔をくれた。
思えば、この人には、言い表せないくらいにお世話になっている。



