「ほら、もったいぶらないで、さっさと言ってあげてくださいよ。こんなに緊張して、かわいそうじゃないですか。それともなんですか、それを見て密かに楽しんでるクチですか?」
「お前は……」
『はーっ』と長いため息を吐いて、社長は眉間をぐりぐりともみほぐしたあと、スマイリー主任から私の方に視線を移した。
視線と視線が真っ向からぶつかり合い、思わず、ダルマさんが転んだ状態で固まってしまう。
この一カ月、通勤日には少なくても出社時と退社時、一日に二回は顔を合わせて来たし、休憩時間にコーヒーを入れてあげたりして、それなりにコミュニケーションを取ってきたつもりだけど、さすがに一カ月程度では、この人の本音の部分を読めるようにはならない。
なりたい、とは思うけど。
そのチャンスも、不採用になってしまえばもう二度とは来ない。
こうして、せっかく再会できたのに、
それは、少し、
ううん、とても残念だし、淋しいと思う。



