「ま、いいけどね。変に考えないで、いつもの通り自然体でいきなよ」
「え? なんのこと? ニックネームつけること?」
「ちがうよ。それ以外の、色々なこと」
それ以外の、色々なこと?
なんだか、よくわからないけど、自然体っていうのは基本だと思うし、そうありたいとも思う。
「うん、そうする」
素直にうなづけば、美由紀は「がんばれー」と、若干人の悪い笑顔でエールを送ってくれた。
そうして、日付も変わった午前二時過ぎ。
いつも通りにお仕事を終えた私に、待ちに待ったその瞬間はやってきた。
終業後、面接の日と同じに、スマイリー主任に連れられて私は事務所でタイムカードを押した後、隣室の社長室に向かった。
もちろん、
試用期間が終了したので、その合否を、社長に確かめるためだ。



