「何よ、気色悪い笑い方して?」

いつもの相棒こと、今日もナイスボディを地味ぃな黒い上下のジャージに包んだ、親友の谷田部美由紀が、頬杖をつきながらそう言ってうさん臭そうな視線を向けてきた。

「だって、一カ月よ、一カ月。自分でもよく頑張ったよ、この一カ月!」

そう。

あの、汗と汗と汗の結晶の、怒涛の毎日。

よくぞ勤め上げた、私。

えらいぞ、私。

自分で自分を、ほめてあげたい。

「そのご機嫌さんな笑いは、それだけの理由なの?」

「え……? それだけって、他に何があるのよ?」

質問の意図が読めずに小首をかしげると、美由紀は、オレンジジュースをストローでかき回しながらニヤリと口の端を上げる。

「そりゃあ、色々とあるでしょうよ。例の『憧れのお兄さんとの再会』の、その後とか、さ」