「はい、どうぞ」

冷蔵庫の中から、私には、まったりカフェ・オレ。

自分用には、ブラックコーヒーを取り出し、社長は、冷蔵庫の扉を閉めて社長室に戻っていく。

私は集めた戦利品、ならぬコーヒーカップと、インスタント・コーヒーを急いで元の場所に戻し、ありがたくカフェ・オレをいただき社長の後を追う。

今日はもう栄養ドリンクも飲んじゃったから、甘いの、飲みすぎかな?

でも、『社長と二人で缶コーヒー』も捨てがたい。

夕方、面接をした応接セットのソファーの同じ場所に二人で座り、缶のプルトップをピキリと開ける。

「いただきます!」

『乾杯』をするみたいに、カフェ・オレの缶を掲げれば、社長も同じように、缶を掲げてくれる。

たったそれだけの、何気ない事なのに。

――なんだか、これって、癖になりそうに楽しい。