【番外編追加♪】オ・ト・ナの、お仕事♪~甘いキスは蜜の味~【完結】



『ドン』と、派手な音が、耳朶を叩いた。

――が。

襲ってくるはずの衝撃も痛みも、感じない。

否、

確かに衝撃はあった。

でもそれは予想していたものよりも、ずっとソフトで、しかも温かかった。

――背中が、柔らかい?

ってか、温かい?

なんで?

状況が分からずに、おそるおそる目を開ける。

目の前、目線よりも少し上には、キッチンの白い天板。

ちょうど、尻餅をついている感じの高さだ。

あのまま、スッ転んだのは間違いない。

けど、なんで、背中が、温かいの?

「……何を、やってるんだ、君は」

「ふ……えっ!?」

すぐ近く、

本当に近くの頭上から降ってきた重低音の声に、全身ピキリと、見事に固まる。