むしろ、照れ隠しなんじゃないかと、都合良く脳内変換されてしまう。
なんだか、俄然、親睦を深めたくなってきてしまった。
――そうだよ。
せっかく、懐かしい再会を果たしたんだから。
この完全防備されたような無表情の下の、素の表情を、少しでもいいから見てみたい。
それがただの好奇心か、それともそれ以外の『何か』なのかは分からないけど、私はそう思ってしまった。
「コーヒーでも、いれましょうか? 私、けっこう得意なんですよ。えっと、給湯室は……」
きょろきょろと視線を彷徨わせていると、
「……あの、角だ」
と、社長は、部屋の右奥のドアを指さし、教えてくれた。
――給湯室の場所を教えてくれたのは、私の申し出を、受け入れてくれたってことよね?
『コーヒーなんかいらないから、さっさと帰れ』
そう、言われなかったことに気を良くした私は、仕事の疲れも忘れて、いそいそと給湯室へと足を向ける。



