「良いお父さんだね」
沈黙を破ったのは、スマイリー主任の穏やかな声。
私は、小さくうなづいた。
「はい。自慢の父です」
「ほらほら社長も、そんな仏頂面してないで、何か言ってあげたら?」
ニコニコと、スマイリー主任が社長に話しを振れば、社長は面白くもなさそうにボソリと言う。
「……この顔は地だ」
「それは、分かってますけどねー。少しは努力しないと、女の子にモテませんよ? せっかく地は良いのにもったいないなぁ」
「うるさいぞ、守。彼女が待ってるんだろう? お前は、さっさと家に帰れ」
しっしっ!
っと、社長の、犬を追い払うようなジェスチャーにも、気を悪くする様子もなく、
「はいはいはい。ボクは、愛しい彼女の元へ帰りますよ。それじゃ、また来週ね、茉莉ちゃん」
「はい、また、よろしくお願いします!」
しっかりと、腰を折ってお辞儀をすれば、
スマイリー主任は、笑顔全開で手を振りながら、足取りも軽く社長室を出ていった。



