『祐兄ちゃん』。
一人っ子で兄弟がいなかった私には、本当のお兄ちゃんみたいな存在で。
優しくて、なんでも知っていて、大好きだった。
良く遊んでもらったっけ。
そうだ。
亀子さんを掬った夏祭りも、『祐兄ちゃん』と一緒に行ったんだった。
この人が、あの『祐兄ちゃん』?
スマホを耳に当てる社長をまじまじと見上げれば、ギロリと硬質の視線が投げ返され、反射的に視線をそらす。
『なぜ連絡をしなかった?』と、
『それぐらいは常識だろう?』と、
そんな怒りのオーラ―が滲み出していそうな、その強い視線に、思わずビビる。
――こ、怖いんですが。
このイケメンだけど怒らせたら怖そうな不動社長が、あの『祐兄ちゃん』?
なんだか、ちょっと、
ううん。
かなり、ショック。



