走って下駄箱まで降りると


ちょうど、靴を履いている瀬戸口くんの姿。


「せとっ、ぐち…くん!」


話しかけると


「………なに?」


めんどくさそうに振り向く。



「これ、どういう……ことっ?」



私が、そう聞くと


「そのまんまの意味。
もう、めんどくせぇの。
なに、男教えてもお前、全然治らねえしやっても意味ねえだろ?」



え……??


前までの瀬戸口君じゃないみたいに


冷たい目。



こ、怖いっ……。



ビクビクしてると


「ビクビクしてるんじゃ、もう
男なれできねえよ。
諦めな。じゃあね"葛西さん"」


それだけ言うと歩き出す瀬戸口くん。



葛西さんって……。


もう、心愛って


呼びたくないくらいに


嫌われちゃったの……??



私が、男の子になれないから…??



瀬戸口くんに、ビビったから…??