俺様王子とラブレッスン①




「あ、心愛……っ」


気づいたように千夏ちゃんがこっちを見る。


大丈夫…。


大丈夫だから…。



グッと手に力を入れると


「……っ、行こう……よ…」


そういった。


けど


動かない…。




「なんで!?
やっぱり、葛西さんのこと?」



桃園さんが


ハッキリそう言った。




か、葛西?



私のこと……??



「……なんで、心愛の名前が出てくんだよ」


めんどくさそうに答える瀬戸口くん。



「葛西に、男教えるって本気?
なによ、いきなり…っ。
私は、こんなにも好きなのに!!!
葛西さんだけ…。

かまわれて……ズルイ。」


消えそうな声でそう言う桃園さん。



本当に



瀬戸口くんのことが好きなんだ。





「ね、知ってた?
瀬戸口くんと、桃園さんって付き合ってたらしいよー!」


女子が楽しそうに話す声が聞こえた。



付き合ってた……??



「やっぱり!?
お似合いだと思うわー!」


お似合い……??