あの時の光景を思い出して、グッと言葉に詰まると美島は横から、わたしをキュ、と抱きしめた。
優しく、壊れないように、割れ物を扱うような感じで…。正直、イヤだと追い払うこともできた。
だけど、なぜかできなくて。おとなしく、美島の腕の中で黙っていた。
どれくらい抱きしめられていたかな。美島もしゃべらないから、わたしもずっと黙っていた。
相変わらず美島に抱きしめられたまんまで、時間だけが過ぎていく。
でも、イヤな感じはしなくて。むしろ、心地がイイ。彼氏でもなんでもないのに、こんなことされて、なにやってるんだろうって思うけど、拒否反応が起こらないんだ。
「椿姫?」
「……ん」
フワフワとしてた時間。このままいてもいいと思っていた時間。それが美島の声で現実に戻された。
わたしのことを呼んだくせに、なにもしゃべらない。不思議に思って、美島のほうに顔を少しだけ横に向けた。
「………」
「………」
優しく、壊れないように、割れ物を扱うような感じで…。正直、イヤだと追い払うこともできた。
だけど、なぜかできなくて。おとなしく、美島の腕の中で黙っていた。
どれくらい抱きしめられていたかな。美島もしゃべらないから、わたしもずっと黙っていた。
相変わらず美島に抱きしめられたまんまで、時間だけが過ぎていく。
でも、イヤな感じはしなくて。むしろ、心地がイイ。彼氏でもなんでもないのに、こんなことされて、なにやってるんだろうって思うけど、拒否反応が起こらないんだ。
「椿姫?」
「……ん」
フワフワとしてた時間。このままいてもいいと思っていた時間。それが美島の声で現実に戻された。
わたしのことを呼んだくせに、なにもしゃべらない。不思議に思って、美島のほうに顔を少しだけ横に向けた。
「………」
「………」

