「椿姫」
「…なに」
「ちょっと抜け出さない?」
「は?なんで」
「椿姫と話したいから」
「わたしは話すことないし」
やっぱり、そうだよね。さっきの先輩たちの見たからかな。少し距離が近くなったかな、と思ってたんだけど、また急に遠くなっちゃったし。
でもそんなの、ぼくには関係ないや。椿姫の手をギュッと握ると、クイッと引っ張った。
「ちょ、なに!」
「孝宏、鈴井さん。飲み物買いに行ってくる。なに飲みたい?」
「あー、コーラで!那津ちゃんは?」
「えっ、じゃあ…。お茶で」
「うん、わかった。じゃあ、行くよ椿姫」
「なんでわたしまで…!」
「ぼく4本も、持てないし」
「………」
そんなワケないけど。4本なんか余裕で持てるし。でも、そうでも言わないと付いて来てくれなさそうだし。
手をパッと離し、ぼくが歩くと、視線を感じたものの、なにも言わずに椿姫は付いて来てくれた。
ドーンと大きな音がして、キレイな花火が夜の空に咲き、そして儚く散ってゆく。
ぼくが急に立ち止まると、ぼくの少しうしろにいた椿姫も足を止めた。
「椿姫」
「……なに」
「花火大会で、なにかあったの?」
「っ、なにもないよ」
「ウソだよ。なにかあった顔してる。話せないことなんだ?」
「………」
椿姫は、よっぽど話したくないのかクチビルをキュッと閉じて黙り込んでしまった。
***
「…なに」
「ちょっと抜け出さない?」
「は?なんで」
「椿姫と話したいから」
「わたしは話すことないし」
やっぱり、そうだよね。さっきの先輩たちの見たからかな。少し距離が近くなったかな、と思ってたんだけど、また急に遠くなっちゃったし。
でもそんなの、ぼくには関係ないや。椿姫の手をギュッと握ると、クイッと引っ張った。
「ちょ、なに!」
「孝宏、鈴井さん。飲み物買いに行ってくる。なに飲みたい?」
「あー、コーラで!那津ちゃんは?」
「えっ、じゃあ…。お茶で」
「うん、わかった。じゃあ、行くよ椿姫」
「なんでわたしまで…!」
「ぼく4本も、持てないし」
「………」
そんなワケないけど。4本なんか余裕で持てるし。でも、そうでも言わないと付いて来てくれなさそうだし。
手をパッと離し、ぼくが歩くと、視線を感じたものの、なにも言わずに椿姫は付いて来てくれた。
ドーンと大きな音がして、キレイな花火が夜の空に咲き、そして儚く散ってゆく。
ぼくが急に立ち止まると、ぼくの少しうしろにいた椿姫も足を止めた。
「椿姫」
「……なに」
「花火大会で、なにかあったの?」
「っ、なにもないよ」
「ウソだよ。なにかあった顔してる。話せないことなんだ?」
「………」
椿姫は、よっぽど話したくないのかクチビルをキュッと閉じて黙り込んでしまった。
***

