「ねぇ、邪魔。たこ焼き焦げるから、退いて?」
美島はなんて言うんだろう?と思っていたら、まさかの〝邪魔〟〝退いて〟に、わたしがビクついてしまった。
「ほら、及川さん。邪魔だって!早くお昼行きなさいよ」
なのに、ファンどもは、まったくビクともしていなくて、むしろ邪魔なのは、わたしだと言い放った。
「え、でも…。これ意外に難しいし…あと、ちょっとだし…」
「なに?自分が楓くんの、となりにいたいからって、よくもまぁそんなウソ言えたもんね?」
「えっ、いや、チガ、」
「いいから、貸しなさいよ!」
「……っ、」
ファンの一人が、わたしの持ってたピックをひったくった時に、ちょっとした事故が起こった。
事故と言っても、先の尖ったピックが、ちょうどわたしの人差し指にかすって、ジワリと血が滲んだのだ。
でも、それは思ったよりも痛くて、ちょっとだけ泣きそうになった。それでも近くにあったティッシュに手を伸ばすと、それを傷口に当てた。
あれ。思ったより、血止まんないな…。どうしよう。誰かに言いたいけど、松井も那津も忙しそうだし…。
美島はファンどもに囲まれてるし、とりあえずコッソリ抜けて、保健室に行こうと決めた。
美島はなんて言うんだろう?と思っていたら、まさかの〝邪魔〟〝退いて〟に、わたしがビクついてしまった。
「ほら、及川さん。邪魔だって!早くお昼行きなさいよ」
なのに、ファンどもは、まったくビクともしていなくて、むしろ邪魔なのは、わたしだと言い放った。
「え、でも…。これ意外に難しいし…あと、ちょっとだし…」
「なに?自分が楓くんの、となりにいたいからって、よくもまぁそんなウソ言えたもんね?」
「えっ、いや、チガ、」
「いいから、貸しなさいよ!」
「……っ、」
ファンの一人が、わたしの持ってたピックをひったくった時に、ちょっとした事故が起こった。
事故と言っても、先の尖ったピックが、ちょうどわたしの人差し指にかすって、ジワリと血が滲んだのだ。
でも、それは思ったよりも痛くて、ちょっとだけ泣きそうになった。それでも近くにあったティッシュに手を伸ばすと、それを傷口に当てた。
あれ。思ったより、血止まんないな…。どうしよう。誰かに言いたいけど、松井も那津も忙しそうだし…。
美島はファンどもに囲まれてるし、とりあえずコッソリ抜けて、保健室に行こうと決めた。

