中間テストも終わって6月に入ると、学祭の準備が始まる。あれ以来みんなで、どこかへ行ったりすることがなくなった。

美島とは、やっぱり挨拶程度の付き合いになって、それにもだんだんと慣れてきた。

「では、ウチのクラスはたこ焼き作ることにしまーす」

各クラスで学祭の出店するのを決める中、ウチのクラスはたこ焼き屋さんになった。

いろんな意見があって、それを多数決で決めると、圧倒的に多かったのがたこ焼き屋だった。

正直わたしは、みんなによく思われてないし(まぁ、女子にだけど)なんでもよかったから、適当に参加して、たこ焼きに決まると、あとはなにも聞いていなかった。

「及川さん、いいですか?」
「え?あ、はい」

なにも聞いてないから、なにが〝いい〟のかサッパリわからない。けれど、聞き返すこともできなくて、とりあえず返事だけをした。

チャイムが鳴って、昼休み休憩。何の気なしに、パッと黒板を見ると〝及川〟の名前があって、よく見てみると作る担当のところの下に及川が……。

「えぇっ!」
「なに、どうしたの。急に立ち上がったりして」