ぼくのことだけ見てなよ

チャイムが鳴って用紙を集めると、美島が話しかけてきた。だから、全部埋めたことを伝えると微笑んでくれた。

その後のテストも、なんとか埋めることができて、4教科目が終わった頃には、どっと疲れていた。

「疲れた……」
「お疲れさま、椿姫ちゃん!」
「那津ぅ!」
「わっ…!」
「充電〜」

机に突っ伏してたわたしに、那津が近付いてきて、その優しい顔を見ると抱きつきたくなり、本能のままガバッと横から抱きついた。

「あー、疲れ取れるぅ」
「そ、そうなの?」
「うん、イヤなこと全部忘れるよ」
「そっか」

那津が笑ってくれると、わたしも笑顔になる。……なのに、また邪魔が入った。

「椿姫ちゃん!俺も疲れたぁ、充電〜!」
「ちょ、やだ!バカ、変態っ!」
「うっ…!ひどーい、椿姫ちゃん!」
「ひどいのは、そっちでしょ!」

松井が同じように抱きついてきて、咄嗟にお腹ら辺に肘で殴ると松井から距離を取った。

まったく、油断も隙も無いヤツめ!!…と、一呼吸置いた時、反対方向から誰かにグイッと引っ張られ、その誰かの胸にスッポリとおさまった。

「ちょ、誰っ!?…って、美島っ!?」
「……ぼくも、充電」
「はぁっ!?」