「うん。でも、お昼は一緒に食べようね!」
「うんっ!」

そう言ったところでチャイムが鳴り、わたしも那津も新しいクラスの新しい席へと向かった。

わたしの席は真ん中の、一番うしろの席。

ちなみに那津は、真ん中の一番前の席で、顔を見合わせることもできない。

とりあえず席に着くと、遅れて座った、となりの男子に目をやった。

アレ…この人どっかで…。誰だっけ。考えても考えても思い出せず、黒板に書いてある名字を見た。

あ、そうだ。美島、だ。美島楓(みしまかえで)

いつも学年で成績がトップなんだよね。だから、イヤでも名前を覚えたんだ。

ちゃんと見たのは、はじめてだな。見た目は〝勉強できます!〟って感じのメガネをかけていて(どんなメガネだ!)あまり笑わなさそうなイメージ…?

髪はサラサラしてて、どんなシャンプーを使っているのか聞いてみたいくらいだ。