すると美島は、クスッと笑った。なによ、わたしがお礼言ったのがそんなにおかしいの!?もうゼッタイ言うもんか!…って、思ってたのに。

「よく言えたね」
「……っ!?」

美島が、わたしの頭に手をのせた。突然のことに、わたしの脳が付いていかず目を大きく見開いて美島を見ることしかできない。

「……やめてよ」
「やだよ」
「なんでよっ」
「及川、おもしろいでしょ。なんとなく」
「………」

なんとなくって、なによ。おもしろいとか、やめてほしい。とりあえず、この手を退けてくんないかな。

「手、退けてよ」
「どうしよっかなー」
「美島っ!?」
「はいはい。わかったよー」

はぁ…。やっと解放された…。こういうの気軽にやるヤツの意味がわかんない。

「じゃあ、続きしよっか」
「はぁっ!?なんの続きよ」
「勉強に決まってるでしょ。なに、変な想像してるの」
「し、してない!!バッカじゃないのっ!?」

なんて、言い返したけどホントは勉強のことなんて、すっかり忘れてた…。バカなのは、わたしじゃんね。

「はいはい。じゃあ、この問題。わかる?」
「………」