ぼくのことだけ見てなよ

すると美島は、フと笑って、わたしに顔を近付けた。

「もちろん、喜んで」
「……っ」

あの時以来の触れた美島のクチビルは、柔らかくて優しくて、すごく幸せを感じるキスだった。

「ダメ。まだ、終わらせない」
「え、でも、美島っ、んっ!」

すぐに終わると思っていたキスは、終わるどころか、どんどん深いキスへと変わっていった。

「美島じゃないでしょ?ほら、なんて言うの?」
「ッ、か…えで…」
「うん、よく言えたね。じゃあ、続きしようね?」
「えっ、やっ、あっ」

あーもう無理っ…。ここまでされたら、わたしだって抵抗できなくなるっ。

美島…じゃなくて。楓にソファに押し倒されると、今までの楓の想いをすべてぶつけるように、わたしにすべての愛情を注いでくれた。

「椿姫、好きだよ」
「……わたしも、好きっ」
「ゼッタイ、椿姫のこと裏切らないから」
「うんっ」

ここがリビングだというのに、家族が帰ってくるとか、そんなことは考える余裕もなかった。ただただ、楓のことだけを考えていた。