ぼくのことだけ見てなよ

「え、それって……」
「……好き、なの。美島のことが……」
「………」

えぇっ……。勇気出して言ったのに、なにも言ってくれないってどうなの…。

少しくらい反応してくれたっていいじゃないっ。いつまで経ってもなにも言わない美島に、だんだんモヤモヤしてきて、チラッと目だけを美島に向けた。

「な、なによ。その顔…」
「いや、うん…だって…」

美島の顔は、ただただ驚いていて、わたしの言葉が信じられないといった感じだった。

「……言いたかったことは、それだけだからっ」

この状況に耐えられなくなって、わたしは美島に背を向けると来た道を走った。

「ちょっ、椿姫っ!」
「やっ、離してよっ!」
「なに言ってるの。好きって聞いて、素直に帰すはずがないでしょ」

さっきはなにも言わなかったくせに、わたしが走り出すと美島が追いかけてきて腕を掴まれた。

ブンブン腕を振って、離せアピールをするも、サラッと言われた言葉に、わたしの腕も止まってしまう。