ぼくのことだけ見てなよ

「あ、あのっ…。わたしは…べつに、」
「那津、吐き出しな?スッキリするよー?」
「そうだよー!」

なんて、わたしも坂井さんと安藤さんに混じって那津のことを、からかっていたらとんでもない爆弾を那津が落としたのです。

「わたし、ホントに好きじゃないの!」
「またまたぁ〜!」
「那津はその気なくても、松井は好きかもよ?」
「ウンウン」
「………」
「那津?」
「椿姫ちゃんだもん」
「へっ?なにが…?」
「だから!松井くんの好きな子、椿姫ちゃんだもん!!……あ」

言葉も出なくなるというのは、こういうことなんだ…。坂井さんと安藤さんも、なにも言えなくなってしまったらしい…。

那津も言っちゃいけないことだと、言ってからわかったのか、両手で口を押さえていた。

「いや、那津…?そんな冗談やめなよ?だって、松井、美島のことイイヤツだからって、わたしにゴリ押ししてきたんだよ?」
「冗談なんかじゃないよ…。わたし相談されてたんだもん…。でも美島くんが椿姫ちゃんに夢中になってるの、あんな楓見たことないって。だから俺は、ココロに閉まっとくって、言ってた…」

………。これは、マジなヤツだ…。思わぬ形で松井の想いを知ってしまったんですけど…。

明日は自由行動。もちろんこの4人で、だ。ねぇ、わたしどうしたらいいの?松井の気持ち知っちゃって、どう接したらいいのよ!

「な、なんかごめんね…。わたしたち悪ノリしすぎちゃって…」
「いやいや!だって、わたしだって、まさかそんな答えが返ってくるとは思わなかったからっ。あの、坂井さん、安藤さん。この話はナイショで…」
「それはもちろんだよ!」
「わたしも、思わず言っちゃって…。ごめんなさい…」
「いや、那津が謝ることないよ?わたしこそ、ごめんね…。でもさ、那津。もしだよ?もし、那津が松井のこと少しでも気になっていたら、たくさんアピールするんだよ?どんなことでも、わたし協力するからねっ?」
「椿姫ちゃん……」

もしかしたら、那津は松井のことが好きなのかもしれない。じゃなかったら、あんないじられて人のヒミツ暴露するような子じゃないもの。