ぼくのことだけ見てなよ

修学旅行当日は、あっという間にきた。朝から、わたしはバタバタしていた。

「淳平、ホントに大丈夫?なにかあったら連絡、」
「椿姫、もう時間ないって!俺なら大丈夫だから」
「う、うん。わかった、じゃあ行ってくるね」
「はいはい。気を付けてなー」
「あ、淳平」
「まだ、なんかあんのかよ」

一度出た玄関を、再度開けると、むったりとした淳平と目が合った。

「避妊だけは、しっかりね」
「は?んなもん、しねぇよ!」
「……っ!?しない、って…アンタねぇ、」
「あ、いや、しないって、そのしないじゃねぇし!!そういうこと自体まだしないつってんの!」
「え…」
「いろいろ恐ろしいこと言ってきたのは椿姫だろ?ちゃんと、そこは咲希にも言ってあるし、理解してもらってるから。咲希も兄貴のことあるから、俺らは、ちゃんと中学生らしい付き合いするから、安心しろよな」

あ、そうだ。あのあと、いろいろ淳平に話したんだ。だってさ、同級生でも、避妊したのに赤ちゃんできちゃった子がいたりしてさ。

100%ではないんだよ、って話をしたんだけど。あの時は〝はいはい〟って感じだったから、聞いてないと思ってたんだけど、しっかり聞いてたんだね。

「ほら、早く行けよ。マジで遅刻すんぞ」
「あ、ヤッバ!じゃあ、淳平戸締りとか、よろしくねっ?」
「はいはい、わかってるよ」
「じゃぁね!」

こうして、わたしはやっと家を出発した。向かった先はいつもとは反対方向。

高校に集合ではなく、空港集合なのだ。だから、この日は例の4人で待ち合わせをして、空港に行くことにした。

「あ、椿姫ちゃんきたきた!」
「ったく、おせぇぞ?」
「椿姫、大丈夫?心配したよ」
「ごめんごめん!ちょっといろいろあって…」