─「新入生代表、挨拶。」

─「先輩方、先生方、本日は私達の為に大切なお時間を裂いて頂き、本当にありがとうございます。新入生代表、1年B組松本真美(まつもとまみ)です。この学校に入学でき・・・・・」



新入生代表の挨拶は入試で成績トップだった人が毎年喋っている。

だから今年はこの子が成績トップなのだろう。

また隣の2人がざわついていた

「ねぇ、新入生代表ってさたしかー」

「成績トップだよ!」

「そうそう!」

「あーあの子絶対目つけられるよね〜」

「大して顔かわいくないしっ」(笑)

「メガネだしtheガリベンってかんじだね!」

「それな!!」

確かにもう1年じゃない私達は先輩の立場であって、

ああ、こうやって見下されるんだな〜と思った。

だが私は松本さんの思いも伝わってきた。

文章からではなく…

在り来たりの新入生代表の為の言葉の羅列を読んでいるだけだが、彼女はきっと相当緊張しているし、相当練習したんだな。

じわじわと彼女の額から湧き出てくる冷や汗がそれをさらに考えさせた。


あー彼女は優秀な成績を採り、努力してこうして話しをしているのに、きっと彼女も承知の上だが、先輩からはこんなことを言われて惨めだな。

何も悪意のない彼女が可哀想に思えた。だが私は何も出来なかった。ただ、その先輩という立場から彼女を見つめることしか出来なかった。



縦社会の事実に心が傷んだ。