心地いい風が吹く今日。

俺は自分の部屋で一人舞い上がっていた。

「やっと・・・。やっとだ・・・。」

俺は中学生の時に、親父の転勤で今住んでる東京から福岡に引越しした。

俺はついていくのが嫌だった。

学校に気になる奴がいたから。

小泉香奈っていうド天然な女子。

家が斜めっていうこの近い距離。

小さい時からちょっと気になってた奴。


福岡に移って中3になり、卒業式が終わってからすぐ東京にいる友達に電話を掛けた。

「もしもし?紘?」

俺の大親友、三浦紘。

コイツも小さい時からの幼なじみ。

『おぉ!もしもし?ゆうじゃん!ひっさしぶり!元気してた!?』

耳がキーンとした。

こ、こいつ声がでかい事は変わってねぇみたいだな・・・。

でも、変わってたら逆に絡みづらかったかもな・・・。

なんて思いつつ、こいつに色々聞いた。

「なぁ、小泉ってどこの高校行くか知ってる?」

『小泉?あぁー!小泉香奈ね!』

おい・・・。

お前一緒の中学校だろうが・・・!

覚えておいてやれよ!

『小泉なら静蘭学園いくみてぇだぞ?』

えっ・・・。

静蘭ってめっちゃ頭いい所じゃね?

あいつ・・・確か頭悪かったはずなんだけど?

うわー・・・。

やべぇ。俺の頭が追い付かない・・・。

「おう。サンキューな!」

『何!?お前こっち帰ってくんの!?』

「うん。帰るよ?」

『マジで!?ウェーイ!』

こ、こいつテンション高いな・・・。

こっちが疲れる・・・。