「お前なんかにそんな事教えられるか。
・・・それと、気安く『奈桜』何て呼ぶな。」
俺は掴まれた手を容赦なく払った。
そして、何の感情も無い瞳で龍也の事を見た。
「・・・僕達の話は以上です。
今までありがとうございました。」
匡のその言葉を合図に俺達は踵を返した。
総長室から出てきた俺らを見つめるのは、下っ端達。
不安そうな目で見てくる。
こいつらのほとんどは奈桜の事が大好きで、親友みたいに関わっていたヤツらだ。
だから、奈桜がいなくなってからはコイツらの元気も徐々に無くなっていた。
あと少しの辛抱だから、我慢して待っててくれ。
今は言葉にして出せないが、コイツらを守るのも俺らの仕事だと思っている。
無言で見守られながら、俺達は倉庫から出た。
「・・・頑張ろうな。」
ポツリと出た言葉。
「そうですね。皆の為に。」
「ああ!やる気十分だ!」
「うん!」
その言葉に返してくれる仲間がいる。
俺は気合いを入れ直し、前を向く。
待っている新しい仲間の所へ行くために。
Side 矢尋 End


