傷つけられた天使



――――プルルルッ プツッ


「はい。もしもし。如月です。」

「もしもしー。すみません。香月です。」

「え!?奈桜?どうしたの?」

「いやー、それがですねー、かくかくしかじかでですね、お助けして頂きたくお電話をおかけした次第でございます。」

「そうだったの?じゃあ、すぐ行くから!」

「ありがと♪」


プツッと通話が終わり、履歴を消してからスマホを元の位置に返した。


それから5分もしない内に開けてもらえた。


「匡、ありがとね♪」

「いや、ビックリしたよ。普段全然掛かってこない人からだったから。
まさか、そんな事しようとしていたなんてな・・・。」


これ、絶対黒い事考えてるな・・・。


「でも、来てくれたの速かったね?
電話でも普通に『奈桜』とか言っちゃってたし。
・・・どこにいたの?」

「ああ、すぐそこの渡り廊下。鍵もらいに行くために少し時間かかっちゃったけどね。」

「そうだったんだ。
全然時間かかってないよ!?」

「そう?なら良かった。」


そう言って柔らかく微笑んだ彼の顔は久しぶりに見た。


「あ!ごめん!僕、今急いでるんだ!!
すぐ戻らなきゃいけなかったんだ。」

「気にしないで良いよ!
むしろ、こっちがごめんだし・・・。
本当にありがとね。助かった!!」


どういたしまして、と私の頭を撫でてから匡は走り去った。