次の日学校に来ると、珍しく矢尋が席に座っていた。
でも、教室内にいるから話せない。
また落書きされているであろう席に向かうと、何も書かれていなかった。
逆に新品になっている。
「どうして?」
その答えはすぐわかった。
「おはよー。香月さん!」
え!?
何故か皆が挨拶してくる。
何か嫌な予感がする。
「香月さん聞いたー?九条のヤツある女子をいじめててさー、姫から降ろされたらしいよー。」
「どういう事?」
「だからー、姫になって気に食わない相手を見つけてはいじめてたらしいよ。」
その女子はまた下品な笑い声を上げてその場からいなくなった。
「おはよう。奈桜。何の話してたんだ?」
いつの間に登校してたのか、和佐に話しかけられた。
けど、さっきの話が信じられず、全身が固まり、動かなくなった。
「奈桜?」
和佐は私に反応が無くて心配したのか身体を揺さぶってきた。
どうしようか困って矢尋の方を見ると、私の考えがわかったのか矢尋が目で屋上を指した。
そして、ひと呼吸してから和佐達に言った。
「・・・屋上に行こう。」