「『お前が姫にならなかったら同盟組まねぇぞ』って言われた。」

「ちょっと待てよ。その情報はどこから漏れたんだ?」

「総長に聞いたら、龍華の情報屋をしてる子が漏らしたって。」

「おいおい。」

「総長には偵察も楽にできるし、そのまま姫になれって言われて・・・。」

「抗えなくてなったのか。」

「・・・うん。・・・初めて幹部室行った日、私は逃げたかった。」


蓮華さんは私の手を握った。


「だって、奈桜ちゃんからしたら、目の前で裏切られるって事じゃん!!

逃げたかったけど、無理だった!!

ごめん、ごめんなさい!奈桜ちゃん!!」


そのまま私を抱きしめ泣き出した。


「そっか。そうだったんだ。」

「まさかの事実だったな。」


「蓮華さん。顔上げて下さい。」

「…ぅ…グズ…うん。」

「蓮華さん自身の事でも大変だったのに私の事まで考えてくれて、ありがとうございました。」

「お礼言われるような事してないよ?」

「いいえ。私は事実を知ろうともせずに、勝手にあなたのことまで恨んでました・・・。
私こそごめんなさい。」

「奈桜ちゃん、しょうがない事だったんだよ。だから、謝らないで。」

「私は、蓮華さんまで傷つけた龍也を許せない。」

「だから、俺達が何とかすんだよな?」


そう言って何か企むような顔で和真はニヤリと笑った。